同じ夏はこない
手をはなして歌おう
太鼓の音で踊ろう
肩に落ちる髪ときみの影から
飛んできた汗が目に入って痛い
うだるあつさの中でも
僕の手はつめたい

「二年前も真夏に真冬の歌を聴いていました」
あなたが気に入らなかった草の手入れをするの
細い草には小さな穂がなるの
それをスズメがつつきにくるのよ
「気に入らないなあ」

歯の磨き方を忘れたから
まずいコーヒーの味がいつまでも舌に残るし
うす暗闇に泡立った瞳を向けては
僕の夏が終わる
公園の玉から水があふれるの
子供が水を浴びにくるのよ
斑な気持ちを汲むきみを
いじめたくなる

洗っても洗ってもからだがくさいし
うす目で見る街はつまらない
なんかイライラする

プールの底に沈んで泡を吐きに
サマーバカンス